DVD 恋のカレンダー第一稿

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恋のカレンダー「春」第一稿
映画の製作過程を覗く!第一回は恋のカレンダー「春」の脚本第一稿を大公開!
ずいぶん完成した作品と違う??完成までにいろいろな変更・演出などが加わるのです。


「春〜はじまり」



原作 佐藤千春


人物

卯月(24)編集社の事務の女の子

弥生さん(26)正社員

皐月(23)卯月の好きな人

バーテン

皐月の男友達

会社の同僚たち
(如月・睦・ほか)
○ バー

店に入る皐月と卯月。
バーテン「お、皐月」
座る二人
バーテン「久しぶりジャン、え、彼女?」
卯月「いえ、いえ、違います!!ねえ!!」
皐月「卯月ちゃん」
バーテン「はじめまして」
卯月「こんにちは」

グラスのアップ。美しいカクテルが注がれる。
卯月・皐月「カンパイ」
夢見るような目で皐月を見つめる卯月。

○ オフィス(昼)
生き生きと働く卯月と弥生

タイトルロール「春〜はじまり〜」

○ カフェ(昼)
昼休み。弥生と卯月が一緒にランチしている。
弥生「皐月くんは卯月にいっぱい幸せくれてるね」
卯月、へへっと笑い
卯月「そういえば、弥生さんこそ、どこ行くことになったんですか?ご主人との旅行」
弥生「ベトナムあたりかなあ。やっぱ子供ができたらいけないとこにしよって」
卯月「子供?」
弥生「28、30、32歳と、三人産むんだぁ。女の子、男の子、女の子でね。一姫二太郎もいいけど、三人いたほうが、楽しそうでしょう?」
○ 卯月の部屋(朝)
部屋に飾られた卯月と皐月の写真。
仕事から帰ってきた卯月。パジャマを取り出すと同時に、明日着てゆく服を悩んでいる。

○卯月の部屋(朝)
身支度をしている卯月。雑誌に載っているやり方を参考に念入りにメイク。
ピンポーンとチャイムがなる。
ドアを開けると皐月。

○ 車の中(卯月の家の前)(朝)
車に乗り込む二人。
皐月「どこ行く?」
困っている卯月。そのまま走り出す車。

○ 車の中(道路)(朝)
楽しそうな二人。過ぎてゆく風景。
○ 車の中(コンビニの前)
車を止めてエンジンを切る皐月。
皐月「ポテトは?」
卯月「チーズかピザ味」
皐月「おっけ」
スナックを買いに出る皐月。卯月はコンビニを出入りする人々を眺めている。明らかに一人暮らしの男性がお弁当を買って出て行く。
皐月「卯月!」
皐月が戻ってきて顔をほころばす卯月。
皐月「これさあ、ゴーヤちゃんプルー。コンビにでも売ってるんだねえ。沖縄料理とかしゃれた店でないと食べれないと思ってた」
卯月「え〜、季節になれば、結構売ってるよ☆スーパーとかゴーヤで買って新鮮なの料理したら美味しいよぉ。」
皐月「じゃあ、今度、作ってよ。俺、美緒の料理食べてみたい!」
うれしそうな卯月。皐月の笑顔。
○車の中(道)(昼)
皐月「俺さあ、一度、仕事をやめて海外に行こうと思ってるんだ。」
二つ目のお菓子を開けたとき、皐月が真面目に話し出す。一瞬理解できない卯月。
皐月「海外の幼児教育、見てみたいんだよね。」
卯月「へぇー、外人の子供、可愛いだろうなぁ。」
皐月「そうなんだよぅー、ヤバイだろうねぇ。」
ちょっと子供相手のように甘えた口調の皐月。
卯月「どこに行くつもりなの?」
皐月「シドニー。」
卯月「オーストラリアか。なんで?」
皐月「子供の英語なら、まだ解るほうだと思って。英語圏の国で探して、受け入れが決まったのが、シドニーの幼稚園だったんだぁ。」  皐月の表情は、小さい子がお母さんに、今、楽しかった事を話しているような、ちょっと興奮状態のワクワクな感じ。そんなこどもな表情をいとおしそうに見つめながら 卯月「もう、そこまで決まってるんだ。いつから?」
皐月「今の年長組が卒業したら、向こうに行って、四月から、働く。」
卯月の腕時計は3月1日を指している。
卯月「卒業式、15だっけ?」
皐月「うん、おれまた泣いちゃうなあ」

○ オフィス(朝)
弥生「美緒はいいよね〜。皐月くんと出会ってから、表情もいい感じだし。」
うらめしそうに弥生をみる卯月。
弥生「どうしたの?」
卯月の目から涙が溢れる。
弥生「どーした??」
卯月を抱きしめる弥生。声を上げて泣き出す卯月。

○ カフェ(昼)
弥生「へぇー、シドニー。また良い所を選んだね。オーストラリアは英語を習得するにも、日本人が長期滞在するにも、程よいと思うよ。オージーなまりも結構あるけどねぇ。」
スープを口に運びながら明るく言う弥生。調子が狂う卯月。
弥生「大丈夫だよ!確か時差も一時間とかだし、連絡も取りやすいじゃない。卯月だって、4、5日休み取れば、すーぐ行けちゃうよ。」
店員がグラタンを運んできて卯月の前におく。
卯月「でも、一年ですよ。」
訴える卯月。
弥生「そりゃあ。寂しいのは分かるよ。けど、いいとおもうなぁ、仕事のために、経験積もうとか、そうじゃなくても、海外はタメになるよ〜。」
でも・・・と口ごもる卯月。
○オフィス(昼過ぎ)
ぼーっとして仕事に身が入らない卯月。
電話が鳴るとびくっとしてそばのコーヒーをひっくり返してしまう。
卯月「あーーーーー・・・」
○道(夕方)
帰り道の卯月。通り過ぎるカップル。写真屋に飾られた新婚夫婦の写真。
○卯月の部屋(夜)
写真を眺めて考え事をしている卯月。
布団にもぐりこむ。
また這い出してきて、携帯をいじる。履歴には皐月ばかり。こんどは電話帳を開く。いくつか女友達の名前がある。
少し考えてえらんでからそのうちの一人に電話をかける。7回コールしたところで、自分からきってしまう。

思い切って皐月に電話をかける卯月。
○ バー(夜)
友人と飲んでいる皐月。
皐月「あ、もしもし。うん、今友達と飲んでて。あとで電話するよ。うん。7時くらいになるかな」
電話を切り、話を続ける皐月。
友達「でもいいよなあ、皐月は。小さいころからの夢実現させて」
皐月「まだまだ、これからだよ」
話を続ける二人の後姿。
○ 卯月の部屋(夜)
時計7時。ならない携帯。
9時。 あきらめてお風呂にお湯を張り始める卯月。
11時。パジャマ姿の卯月。紙と封筒を取り出し何か書いている。皐月からの着信を無視。なり終わった携帯を手にとってみる。
○ オフィス(朝)
驚いた表情の弥生。
弥生「パスポートは?」
卯月「申請中です」
弥生「航空券は?」
卯月「大丈夫です」
弥生「英会話は?」
卯月「自信なし!」
弥生「海外初めてだよね?」
卯月「ハイ」
弥生「・・・もし皐月くんが・・・」
卯月「私を好きになってくれなくても、後悔しません」
辞表を受け取る弥生。
○ 卯月の部屋(昼)
机に積まれた航空券・パスポート・旅行案内。
ムダに多い英会話の本。
「sweater」「watch」などとひとつひとつ英語に訳しながらものをつめていく卯月。
○ オフィス(昼)
空になった卯月の机
○ 道(昼)
スーツケースを引いて歩く卯月。
○ 空(昼)
飛んでいく飛行機と飛行機雲。

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